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にじいろ。

第20章 裏切りは蜜の味。

成田に着く手前で車が停まった


藤島「降りろ、二宮
ここからは自分で行け」


和也「藤島さんは…どうするの…?」


藤島「俺のことは忘れろ
今日あったことも」



ジャケットの内ポケットから
封筒を取り出した



藤島「祝儀だ。受け取ってくれ」

和也「祝儀って…」


藤島「本当の自分の居場所に帰れたんだろ?
その祝いだよ
幼馴染と…みんなで美味いモンでも食え」


和也「藤島さん…」


藤島「早く行け」



和也「ありがと…」



藤島「元気でな、二宮」

和也「藤島さんも…」



俺は車を降りてドアを閉めた。






言わなきゃ



和也「藤島さん…!」



今度は俺が言わなきゃ












和也「…何があっても生きて!!」





藤島を乗せた車が
どんどん小さくなって見えなくなった

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