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いつか手をつないで歩こう

第5章 告白


前野さんがじりじりと、私に歩み寄ってくる。

「…」


私は本を胸に抱えたまま、ただ前野さんを見つめるしかなくて。

「僕のことがきらい?」


「あの、付き合っている人がいると聞きました…」

「もう付き合ってないよ。一年前に別れたんだ」

「そうですか…」


その瞬間。前野さんが私の唇にキスをした。

バサッと本が床に落ちた。

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