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私は官能小説作家の素材

第7章 壁と壁

「……ちっ」



小さく舌打ちをして、今度は真菜の手首を掴む。何もそんな強く…しなくても。


チリチリ痛むのは手首だけではない。
心臓も痛い。



「腹立つ…今から言うこと聞け」


「…何」


イライラは何となく私に移っている気がする。いつもより、すぐに受け答えができていない。





「キス…しろ」



男の人が言う言葉なのかな。まず、そんなことを考えてしまう。


「な、なんで…ですか?」



「腹立つからだっつーの」




なんか、ひどい言い訳と言うか…なんと言うか…。

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