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アクマにアソコを貸しました

第2章 これってモテ期じゃないですか

両脚がガクガクしてきた。
ムフ ムフ ムフ!

「ね、次で降りようよ」
ガシリと手首を掴まれる。
融けて流されてしまいそうな奔流の中、僅かに踏ん張る理性が叫ぶ。
ふざけるな、降りねぇよ…!

そりゃあいつだって痴漢みたいなモノだったけど、嫌悪感はムフムフ野郎の方が数万倍上だ。キモい。

助けて…ケィシ!そう思うのと同時に子宮の奥がドクンと脈打った。

「遅い」

斜め上から声がしたかと思うと、あっという間に痴漢の手が離れていった。

「いでででで!」

いつの間にか現れたケィシが痴漢の手首を掴んでいた。

痴漢の痛がる大きな声で周りの人たちが一斉にこちらを向いた、その瞬間。

駅に着いたのと、痴漢の姿が消えたのは同時だった。

プシューーー

ドアが開いてホームへと降りた人が皆一様にギョッして歩いていく。

自分も降りてギョッとした。


さっきまで車内にいたはずの例の奴がホームに寝転がっていたのだ。しかも両腕を肘までズボンに入れて、ベルトがギュッと締まっている為、丸まった姿勢のまま。


恥態脱却の為一人でもがいているが、その姿はイモムシの様だった――

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