LAST SMILE
第17章 最初の歌
「祐兎・・・」
顔を上げると、
祐兎の苦しそうな顔が近くにあった。
あたしが歌うのをやめたとき、
祐兎の唇が、あたしの唇に重なった。
2回目の、
優しくて、長いキス。
祐兎の頬を涙が伝った。
祐兎が、泣いてる。
笑わなくちゃ・・・。
あたしが笑って、
祐兎を笑顔にしてあげなくちゃ・・・。
唇が離れて、あたしは精一杯、
祐兎に向かって微笑んだ。
「その顔だ・・・・」
祐兎はそう呟いて、笑った。
あの、無邪気な、
少年のような笑顔で。
そして―
「麗華、ずっと、そうして笑えよ?」
「祐兎・・・・?」
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える