LAST SMILE
第16章 なんだよ、って。
ケータイのアラームが
音を立ててなった。
“明日”が、来てしまった合図。
“今日”が、来てしまった合図。
「ふ・・・っ・・・くっ・・・・」
白い雪の地面に、涙が落ちる。
変わってしまった。
鳴り響くその音を耳にする度に、
悲しくなる。
胸を抉られるような、
そんな感覚に襲われる。
「祐兎・・・っ」
地面に爪を立てた。
爪の間に冷たい感触が入ってくる。
雪なんて嫌い。
あの人の体温を奪ってしまいそうで。
雪なんて嫌い。
あの人を感じてしまうから。
「祐兎・・・っ」
「なんだよ」
「え・・・・?」
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