I'll protect you.
第41章 卒業
まだ少し肌寒い風
いつも、あなたと過ごした場所
この場所から始まった。
誰かもわからなかったはずなのに、
話が弾みすぎて一緒に授業をサボったこと。
泣きすぎて腫れた目を冷やしてくれたこと。
心君と気持ちが通じ合えたのもこの場所だった。
でも、今私の隣に心君はいない。
「優、下でみんなで写真撮ろう」
『うん』
先に校庭へと行ったカナと光輝君に続いて私も屋上の扉に手をかける。
『ありがとう……』
いるはずのない心君への感謝の気持ち。
右手に卒業証書をしっかり握り締めて屋上をあとにした。
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