I'll protect you.
第25章 戻ってきた時間
『別に誰のことも狙ってないよ!?
だって、シン君には好きな人がちゃんといるし…』
『心様なのね!!!?』
楓の顔が私の顔スレスレのところまで近づいてきた。
『ち、違うって!!!』
『嘘つかない!!
なら、なんで急に心様の好きな人の話になるのよ!!』
うっ…
やらかした…
なんでこうも嘘が苦手なんだろ…
バレちゃいけないのに、困らしたらいけないのに…
どうしよう…
私が楓から目を逸らしていると楓ははぁーと溜息をついた。
『でも、心様は諦めた方がいいと思う…』
そんな真剣な顔しないでよ…
私が惨めになるだけじゃん
『そんなのわかってるよ…』
『私ね、昨日…心様と彼女が歩いてるの見たのよ。
心様と心様の好きな人はもう付き合ってる…』
楓は悲しそうな目で私を見つめた。
そんな楓に、昨日シン君と歩いていたのは私なんて言えない…
それじゃなくても、私とシン君の関係を誤解されたらシン君の邪魔になっちゃうから…
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