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エロ動物と飼育員

第2章 ▤Episode.1▤

――一通りの説明を聞くと…


私は転校初日、この学校での始めての体育にて、上から落ちたらしい。


バスケをやっていたら、ボールが2階席に行ってしまったらしく私はそれを取りに行った。


すると…

またボールが上に来て、その弾みに転落した。と。


どんな転落の仕方だ。


あー…思い出せないっ!



「…ソウデスカ」

「うん。それで、丁度近くにいた僕がここへ運んだの!」

「それは…ご迷惑をおかけしました」


「直緒、嘘はつくな。”運べ”つったのはお前だが、運んだのは俺だ」


…今度はまた誰?

「かずくん…見栄はらさせてくれたって、いいじゃんか!」

”かずくん”と、言うらしい。


「そうなの…?それは、またご迷惑を。ありがとう」

「別に」

…無愛想?なんですね…

別にいいですけど。


「あ、本当にありがとう。私結構寝てたね」

時計を見ると、もう14時。
体育があったのは2時限目だ。

「そうだね。はいこれ、メガネ」

「お、ありがとう」

黒縁のメガネ、私のメガネ。

目は悪くない。これはダテだ!


なんで付けてるかって?


…理由、忘れた……

ずっと付けてるんだもん。


メガネを掛け、黒い髪の毛を耳にかける。
うん!やっぱりこれが落ち着く!


「ヒロちゃん、メガネ掛けてる時と掛けてないときの印象、ガラリと変わるね」

「あー、うん。私も思うわ」

人は皆そうだよ。きっと。

何が違うのかは知らないけど…ね


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