
熱血指導、実行中
第7章 怪我の功名
いつき「具合はどう?」
直人「打撲と骨折を…すいません…大事
な時なのに…」
いつき「仕方ないよ、今は怪我を治す事
を一番に考えて休んで」
直人「…ありがとうございます」
嬉しかった
憧れのいつきと話せて
だけど同時に悲しい気持ちになった
この怪我で
自分はドラマを途中で降板する
薄々はわかっていた
だけどやっぱり
やっぱり悲しくて悔しかった
やっとの思いで掴んだチャンスだったの
に…
直人「…」
いつき「ショックだよね」
直人「!?」
いつき「せっかく掴んだチャンスなのに
悔しくて悔しくて堪らないよね」
直人「いつきさん?」
いつき「直人君の夢って何?」
直人「夢ですか?」
直人の夢
それはいつか、いつきとドラマで共演し
いつきのような俳優になる
それが直人の夢
目標だった
だけどそんな事
本人を目の前に言えるわけなく…
直人「俳優になるのが…子供の頃からの
夢だったんです、主役から脇役まで出来
る俳優になるのが…」
いつき「そっか」
