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仮面な人たちの恋愛夢小説

第45章 お前だけの特等席(鎧)

玄関の扉が開いた。
彼奴の帰ってきた音だ。


『ただいま』


「お帰り。随分遅かったな‥‥また飲まされたのか」


近くと漂う酒の香りは、いつもながら彼奴が無茶をさせられて断れずに飲まされたことを悟らせる。


彼奴は平気だと言って風呂場に向かおうとするが脚が縺れ、転びそうになっていた。


「取り敢えず少し休んでからにしろ、まだそこまで遅くはない」


強引に椅子に座らせた彼奴に水を差し出すとそれを一気に飲み干した。


深夜十二時を回る頃には、少し彼奴の酔いは覚めてきていた。

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