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仮面な人たちの恋愛夢小説

第29章 暴走刑事は加熱中、(W)

やがて押し黙った照井。
彼女はとにかく照井が動かないよう監視しつつ、頭を冷やすなどの処置をおこなっていた。

『食欲がないときは果物に限ります』

そういいながらベッドの横でリンゴを切り始めた彼女。
照井はそれを見ていてはっとした。
照井の視線はリンゴの形にあった。

「兎か…?」

『はいっ。目で見ても面白いかと思って』

「あぁ…そうだな」

身体を起こした照井は兎のリンゴを口にする。
リンゴの甘さと、彼女の優しさとが照井の表情を緩めた。

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