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仮面な人たちの恋愛夢小説

第20章 赤い殺戮・赤い記憶(鎧)

「今練習してみないか」

『え、でも…』

「私は君を信じている」

貴虎が差し出した赤いネクタイを見る彼女の瞳がはっ、として揺れ動く。
彼女は恐る恐るネクタイを手にすると貴虎の首に通す。その手は小刻みに震え、それに気付いた貴虎は彼女の手に優しく手を添えていた。

『で、出来ました‥』

「うむ、上出来だ。良くやった」

貴虎の答えたくなければ言葉に対して安心したように微笑んだ彼女は次の瞬間、フッと力が抜けて貴虎に倒れ込む。貴虎は優しく彼女を受け止めた。

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