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君がいいんだ

第4章 同じ気持ち

『本日はこれでアップです。お疲れさまです』

マネージャーから言われて俺は小躍りした
だって今の時間は18時

携帯を取りだし彼女のシフトをチェックする
「やっぱり!」
何度も何度も見たシフトは記憶と一致した
彼女は今日早番だ
18時には職場を出るはず…

思いきって電話をかけた

「もしもし?俺だけど…」
「櫻井さん!?どうしたんですか?」

メールしかしてなかったから
電話に驚いてるようだった

「俺、今仕事終わったんだ。紗英ちゃんはもうあがり?」
「そうなんですか!私ももう着替えて帰るところですよ!!」
「そっか…じゃあ…これから…会えるかな?何か予定あった?」
「いえ、予定は…ないです」

久しぶりのせいか、彼女の口調が敬語に戻っていた
「うちならお腹空いても食べ物はありますよ(笑)」と言われ、2度目のデートは
彼女のアパートに決まった


俺はマネージャーに怒られるのを覚悟で
前に行った彼女のアパートへ送ってくれないかお願いした
ぶつぶつ言っていたが、「手ぶらで行くつもりですか!?」と怒られ、途中でケーキ屋に寄ってくれた

アパートの前まで着いて彼女に電話した
車から降りる時にマネージャーにお礼を言った
「明日は入りが11時です。私は櫻井さんのマンションへ迎えに行きますか?それとも…こちらの方がいい…ですか?」

とんでもないことを言い出している…
俺は慌てて「俺の…」と言いかけて
マネージャーを真剣な顔で見ながら
「どうなるかわからないけど…もし…こっちになるようなら…メールします…」

「わかりました」
マネージャーは大きなため息のあと
「頑張ってくださいね」
とニッコリ笑ってくれた

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