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ふたりのカタチ

第7章 結婚式

いつまでも鳴り止まない拍手を
司会がようやく遮ると
かずちゃんにいくつかの質問をし始めた

「そーですねー、亮太くんとは幼なじみで
今回新婦のゆみさんを驚かそうってなりまして…」

かずちゃんの一言一言に来客からは
「おー」とか「きゃー」とか聞こえてくる

「すごくイイ感じにまとまったので、もう少し煮詰めて次のアルバムにも入れたいですねー」

そんなことを言いながら少し目にかかる前髪を人指し指で払う

「もしそうなったら是非買ってくださいね」
と、雑誌からそのまま出てきたような笑顔を振りまくと、女性たちから歓声が湧きおこった

短いトークも終わり
ドアの向こうへ消えて行ったかずちゃんは
私が知っているかずちゃんではなく
『二宮和也』になってる気がして
さっきとは違って寂しい気持ちになった

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