手帳の中で生きていた…

のぶ。さんの作者ニュース

のぶ。のサバイバル系ミニ小説４th【第４話】

オレは、離島の調査へ行く前に、息子も連れて彼の母親の元へ。

あの化け物と闘ってから、何度かお会いしたこともあり、すっかり仲も良くなっていたが、隊長となり息子が生まれてからは、初対面となる。

「パパ、こわい…」

息子は怯えている様子だが、何も見えなかった。
もしかするとオレには見えず、息子だけに見えているのか…

今まで、彼の母親にはずっと話せずにいたが、幻聴で手帳から彼の声が聞こえたことを、今頃になってやっと話すことができた。

話をしても、信じてもらえないだろうと思っていたので、今まで黙り続けていた。
話してみたところ、彼の母親は自分の息子が、手帳の中で生きていたような感覚がした…そんな事を、オレに話してくれた！

彼は手帳の中で生き続け、あの闘いが終わってから、本当に父親の元へ逝ってしまったようだ…

あっ、なるほど～！

もしかすると、今の息子には彼が見えているのかも…？

その後日オレは初めて、調査で離島へ踏み入れた。

息子へ…

パパはまた当分の間帰れなくなるけど、ママのこと頼む。

オレは、そんなことを思っていたが、もしかすると息子にしか見えない彼が、守ってくれたりして…(笑)