性教育学校
第39章 戻れない
「なに思い出してんだか」
買い出し頼まれたけど
すぐに部屋に戻りたくなかった俺は
中庭で時間を潰してた
「………さすがにきついな…」
恋をするのが
こんなにも嫌だって思ったのは
はじめてだった
こんな辛い思いすんなら
一生恋なんてしたくない
「…あ!ここにいたんだぁ!」
声のする方を見ると
走ってこっちにくるみなみちゃんがいる
「探したよー…
どこにも…いないからっ」
息切れすごいし…
「どうした?」
「え…いや…
なんか、追いかけて来ちゃったっ」
「なにそれっww」
表に出してないけど
来てくれたのほんと嬉しい
でもそんなこともう思ったらだめだけど
「ここで、何してるの?」
「ん~…考え事?」
「そーなんだっ」
自分のこと
考えられてるなんて
思ってないだろーなー…
「あのさ、
もう…俺に話しかけないでくれる?」
好きじゃないのに
理由なしに追いかけてきたり
大胆な事してきたり
その気まぐれな行動に
俺ははまっちゃうんだよ
まじ、おかしくなりそうなんだ
自分を見失いそう
「え…?」
ごめんな
そんな顔させて
でも、もう解放させたいんだ
ずっと辛い片想いしてた
君にも分かるんじゃない?
楽になりたい気持ち…
「渓人と幸せにな?」
最後くらい
かっこつけたいから
冷たく当たった
そのまま立ち去ろうとした
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