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『ふぁ～…よく寝た』



いきなり扉が開いたかと思うと、姫があくびをしながら出てきた



そこへ大志も井上も黒羽も目をやる





『あれ？みんな仲直りしたんだ、えらいえらい』




ニコリと笑うと、洗面所へと歩いていった





「…ってことで、話はここまでですね」




「…たったそんだけで、姫にべったりなんか？」





「ええ、…そうです」



黒羽は立ち上がり、洗面所へと向かった




顔を洗っている姫の横で、黒羽がタオルを持って待機しているのが見える




「主従関係ねー…」



「わかるようなわかんねぇような…感じだな」


















お嬢様






そうは言ったものの、俺はあなたを守れなかった




それも二度も…





一度目は

立入という男にお嬢様が心を開いてしまったとき…




二度目は

大志という男に、全て持っていかれたとき…






お嬢様がなぜ大志という男に執着するか

だいたいの見当はついています




けれど


俺にだってあなたを想う気持ちがある…



だからせめて、主従関係でも何でもいいので



あなたのために…尽くさせて下さい