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願わくば、いつまでもこのままで

第3章 抽選

インターホンを押すと

あの人の声が聞こえた。



開いたドアから出てきた比奈ちゃん。


「どなたさ……あれ?陽君、どうしたの?」


「比奈ちゃん、あの……ってその格好どうしたの!?」


俺の目線は比奈ちゃんの足、というか腰。

比奈ちゃんの履いているスカートを見ていた。



なぜなら本来足首までありそうなスカートが

膝上まであげられ結ばれている

生足がスラッと出たハレンチな格好だった。


てか、ちょっと丈上げすきだろ!



比奈ちゃんは気づいて慌てて結び目を解いた。

解かれた結び目は広がり
ふんわりとスカート丈が戻った。


「ごめんね、気持ち悪い物見せちゃって」


そう恥ずかしそうに言う比奈ちゃん。



気持ち悪い物とは生足らしいが…

俺にとっては正直ラッキーです!


でも他の奴には見られたくないんでね。



「で、今日はどうしたの?」

「あぁ、これ渡そうと思って」


俺は鞄の中から抽選で当たったペア券を出した。


「何?これ」

「遊園地のペア券。
抽選で当たったから比奈ちゃんと兄貴にあげようと思 って」

俺がペア券を差し出すと

比奈ちゃんは受け取らずに手で押し返すようにした。


「そんな、陽君が使いなよ!」

「でも俺彼女とかいないからさ」

「えっそうなの?」


比奈ちゃんは「なんで?」とでも言いたげな顔をした。


でも俺としては当たり前というか、
今は比奈ちゃんに夢中だから作る気になれない。


「だからさ、もらってくれない?」

「えぇ……んー…」

迷う比奈ちゃんはまだ券を受け取らない。



それを見た俺は断れるのを承知で言ってみた。



「じゃあさ、比奈ちゃん俺と一緒に行かない?」



券に向いた比奈ちゃんの顔が俺を見た。

きょとんとした顔。


俺はゴクリと唾を呑んだ。


「……私なんかでいいの?せっかくのペア券」

「!もちろん、いいから誘ってるんだよ!」


比奈ちゃんは「ふふっ」と笑って顔をほころばせた。



「ありがと。じゃあ一緒に行こっか」


……まじで?

よっしゃ!!

心の中でガッツポーズ!


「ありがと比奈ちゃん!」

「こちらこそ」




それからは遊園地のことで
日にち、時間などいろいろ話して決めていたら

すっかり帰るのが遅くなった。




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