刑事とJK
第70章 江戸っ子交通安全!?
「…どうしたもんかな…?」
斉藤は6枚のチケットを机上に並べた
「何してんすか先輩?」
興味津々で首を伸ばしてきたのはシゲだった
「シゲ、知り合いで
演技が上手そうな奴いねぇか?」
「えー…突然っすね
ちょっと思いつかないです」
「だよな…」
しょうがねぇな…
オレがキャスティングしてやらぁ
―――――――――――
『え・い・が・む・らー!!』
ゆうひは遠足に行くかのようなテンションだ
藤野の車は8人乗りと大型なので、
映画村へはそれで向かった
「ああ~すっごい楽しみ!!」
と飛鳥
「ガキか」
冷たく言い放つのは南
「泰輔~、あたし可愛い町娘になるわねん♪」
真理子は嬉しそうに
藤野を見る
「俺もカッコイイお侍さんになるからなぁ~!!」
「…」
そして、オレ
『どうしたの斉藤?
元気ないじゃん』
「いや…まぁ…」
以上、6名が
小学生の
交通安全を呼び掛けるための
映画の
出演者たちだ…
…無事に終わる気がしねぇな…
6人は目的地に到着した
屋敷の門から侍姿の男が出てきて、
こっちへやってきた
「こんにちは、刑事課の方々でござるな?
話は伺っておりまする」
うお、いきなり喋り方が"ござる"!!
さすがだ…
「今日はよろしくお願いします」
オレが丁寧にお辞儀すると、
変にテンションの上がったゆうひは
『よろしくでござる!!』
と、いい挨拶
しかしオレ的には恥ずかしい
「それでは、某が下町へ案内してさしあげよう!!」
後ろをついて参れ
といった感じで、侍はキリッと向きを変えた
『すごいすごいっ!!!』
「るっせぇ」
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