刑事とJK
第9章 もう会えないのか
ゆうひは小犬の墓の前に身体をかがめると、
手を合わせた
そして立ち上がって斉藤の方を向く
『あたし、もうあんまり
ここには来ないかも』
「え」
突然のこと過ぎて斉藤は固まった
『あたしがここにくる理由は
もうないからね』
「じゃあもう…会えねぇのか?」
『…///
なっ、何よその言い方
今生の別れみたいに…』
「だってよぉ…」
斉藤は少し俯く
そんな様子を見ていると、
嫌でも伝えなければならないという気にさせる
『…最初は、斉藤のこと大嫌いだった』
「は?」
『変に馴れ馴れしいし、
小犬を叩こうとするし、
喋り方うざいし…』
「んだと、このやろぉ」
『でも今は…』
「?」
『…あ、用事あるの思い出した!!
ごめん、帰るね』
「え、ちょっと待てよ…」
ゆうひは走って行ってしまった
公園にひとり立ちすくむ斉藤
言葉ももう、
口からは出なかった
"でも今は…"
なんだよ
最後まで言えよ…
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