刑事とJK
第63章 第一歩
「…」
思わず、見とれた
真っ白のドレスに身を包んだゆうひは
綺麗で
でも可愛くて
溶けてしまうんじゃないかってくらい
優しい顔して
自分にはもったいない、
と思うほどだった
『あ、斉藤
ドレス姿、どう?』
斉藤はゆうひのもとへ歩みより、手を取った
「…ヤバい///」
『ヤバいって、どっちの意味よ』
ゆうひは苦笑した
「実は…プレゼントがあんだ」
『ここで?』
「ああ」
斉藤はスッと手を離した
『プレゼントって何…』
そう言いかけたところで
ゆうひは言葉を失った
つい涙が流れてしまう
『お…お父さん…』
扉の前には、
礼服姿の岩崎がいた
ゆうひは走って岩崎に抱き着いた
『お父さ…もぅ、会えないかと思ってた…
お父さん…お父さぁん…』
「こらこら、泣いたら化粧が崩れちゃうよ」
岩崎は微笑んだ
「最後にもう一度だけ、
父親としての役目を果たそうと思ってね」
ゆうひ
お前を送り出すよ
父親らしいこと、
何もしてやれなかった僕だけどさ
お前を
送り出すよ
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