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刑事とJK

第50章 魔物






『へ、蛇…』




飛鳥の足元にいたのは蛇だった





しかし、外にいるものよりもかなり小さく

20cm、あるかないか


そのくらいの蛇だった





皮の模様は巨大な蛇と似ている





『親子…なのかな…?』





すると、
子供の蛇はスルスルと外へ出て行った




「やだ…もうやだよ
こんなとこ…」




飛鳥は泣き崩れている














嫌な予感がした














外にいた蛇が、



こっちに近づいてくる





ズルズル ズルズル







その大きな体をくねらせて…





『飛鳥、早く立って!!
逃げるの!!』




そう言ったとき








飛鳥が入口を震える手で指差した




ゆうひもそっちを見た







黄色い 大きな 大きな目が



簾の間から



こっちを見ていた










『――――!!!』






大きな目は

ギョロギョロと部屋の中を見渡し




ゆうひたちの存在に気付いた







顔の向きを変え、入口から



その血に染まった顔を入れた







『ぁ…ぁ…』




恐怖で声が出ない





ゆっくり



ゆっくり




顔を入れてくる






口から頻繁に覗く舌





ゆうひと飛鳥は部屋の隅に逃げた




しかし




もう逃げ道はない








『っ…!!!!』







蛇が



大きな口を開けた















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