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刑事とJK

第19章 夏祭り





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『そういえば、今日は8時から花火だよ?』


チョコバナナを食べながらゆうひは言った



「どこから打ち上げんだ?」


斉藤はチョコバナナを一瞬で平らげた



『確か…市役所近くの、
田奈川の河原だったんじゃないかな?』



「ああ、あの辺りか…」



斉藤は指に付いたチョコレートを舐め、
思い出したように指をクルクルと動かした




「それなら、ちょうど
公園からよく見えんじゃねぇか?」




『そうか、あんまり高い建物ないしね』




「それじゃ…7時40分か…
そろそろ行くか?」



『うん///』



公園に向かって歩き出したときだった




「きゃあああ!!!
引ったくりーー!!!」


悲鳴と一緒に聞こえてきた


振り返ると、人込みから走り抜ける男を見つけた

それに向かって手を伸ばす女性





斉藤は急いで女性に駆け寄った



「どうしたんすか!?」


「かばんを…盗られたの…」




女性は泣き声で斉藤に助けを求める


舌打ちして、斉藤は男を追いかけて行った



『あっ、待ってよ斉藤…!!』


ゆうひも追いかけようとしたが、
馴れない浴衣と下駄でうまく走れない



「先に公園行ってろ!!」



斉藤は走って行った



『…そんなぁ…』






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