刑事とJK
第98章 根城の裏で笑う者〜後編〜
「えらくひどい引っ掻きようだな」
斉藤は腕を組むと、壁に寄りかかった
「…はは」
嘉山の微妙な反応を見逃すわけがない
斉藤は嘉山のそばまで寄ると、「何があったんだよ」と問いかけた
「…」
嘉山の目は、どこか涙ぐんでいた
言葉として当てはめるなら、それは不安であった
「…斉藤刑事」
「何だ」
「僕は…斉藤刑事を…信じていいですか?
あなたは、刑事としても、人としても立派な人だって」
「はあ?」
斉藤の顔はキョトンとしていた
嘉山はとにかく斉藤の言葉を待つ
「…まあ、好きにしろ」
「…」
嘉山は急に走り出すと、トイレの外に誰もいないか確認した
そしてそれが終わると、再び元の位置へと戻った
「…さっき、殺されそうになりました」
「はあ?」
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