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刑事とJK

第96章 家









「せーのっ」




オレの合図と共に、風呂の湯はかさを増して溢れ



同時に甲高い笑い声が響いた





しかし、出来た波が大志の顔にかかると、大志はわんわんと泣きはじめた





「いちいち泣くなって」




オレは大志の顔を手で拭い、自分の膝に大志を座らせた



まだチビの大志は、風呂に入ると顔までいっぱいいっぱいになってしまう


だから、膝に乗せてやるんだ





「かっ…かびびぃ!!かびびぃ!!」




大志は手をブルンブルンと振りながら

再び泣きはじめた



"かびび"とは、大志の中で言う髪の毛のことだ




「はいはい、髪の毛な」




オレは、大志の手についた髪の毛を取ってやり、排水溝に流してやる





「ぷーう」



ようやく落ち着いて、大志は満足げに湯に使った




もうオッサンの貫禄があると言うか…



ああ、こいつは間違いなくオレの息子だ…








しばらくすると、ガチャンっと扉が開いた



目をやると、ゆうひの姿





「…///」




いや、何も照れるこたぁねぇんだ…


ねぇんだけど…照れる…






ゆうひは適当に体を流すと、一緒に湯舟に浸かった








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