手紙~天国のあなたへ~
第2章 雪の記憶
「この男(ひと)は右腕の骨が折れているかもしれないのです。そのように手荒なことをなさっては―」
男は濃い眉を心もちつり上げて見せた。
「どうやら私がここを通らなかったら、そなたは完全にこの詐欺師に騙されていたようだ」
改めて職人風の男をまじまじと見つめ、意味深な笑みを深める。
「のう? この私の申しておることがそなたになら、判るであろう?」
問いかけるように言うのに、職人は首を烈しく振る。その陽に灼けた貌には明らかに狼狽が浮かんでいた。
「あっ、あっしは一体、何のことだか判ら―」
「ホホウ、そなたはどうやらこの腕を今度こそ本当にへし折られたいようだな」
「い、痛ってえ」
男が少し力を加えただけで、職人は悲鳴を上げ、苦悶の表情で根を上げた。
「わ、判りましたよ、旦那。あっしが悪うございました」
職人は苦痛に喘ぎながら呟いた。
男は濃い眉を心もちつり上げて見せた。
「どうやら私がここを通らなかったら、そなたは完全にこの詐欺師に騙されていたようだ」
改めて職人風の男をまじまじと見つめ、意味深な笑みを深める。
「のう? この私の申しておることがそなたになら、判るであろう?」
問いかけるように言うのに、職人は首を烈しく振る。その陽に灼けた貌には明らかに狼狽が浮かんでいた。
「あっ、あっしは一体、何のことだか判ら―」
「ホホウ、そなたはどうやらこの腕を今度こそ本当にへし折られたいようだな」
「い、痛ってえ」
男が少し力を加えただけで、職人は悲鳴を上げ、苦悶の表情で根を上げた。
「わ、判りましたよ、旦那。あっしが悪うございました」
職人は苦痛に喘ぎながら呟いた。
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