向かいのお兄さん
第48章 君が初めて
「は…はぁ…はぁ…///」
『…はぁ…もぅ…』
イケなかったあたし…
不機嫌な顔をしてみせると、直也の眉が下がった
「…ごめん…」
『…』
す…素直…
『ううん、いいよ』
ダメだあたし…
この直也に…弱い
『初めてにしては、良かったよ』
「…ほんとか?」
直也の手が
あたしの頬を撫でた
『…ほんと』
そのゆっくりゆっくり撫でてくれる指先が心地よくて
引き寄せられるままに、キスをした
今のはあたしからじゃないよ
直也から…だから…
「…外、暗いな」
『そうだね』
それからあたしたちは、散らかしてしまった教室を掃除した
掃除を終えてしまうと
直也は鞄を手に取った
「…いつまで教室いる気だよ?」
『…』
真ん中の方で突っ立っているあたしに向かって
直也は言った
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