
向かいのお兄さん
第46章 隠してしよ
『で…でもあたし…今はそういう気分じゃ…』
「すぐに燃えるって…美咲のことだし」
目が見えずにいるせいで
自分がどこを向いているのかわからない
とにかく頼れるものが欲しくて直也の腕を掴んでいた手も
直也に掴み返される
『や…やだよ直也ぁ…』
見えないと
怖い
「クスッ、もっと嫌がれよ」
ベッドに座らされると
そのまま直也があたしの髪を梳いた
「後ろ、倒れて…」
『…』
言われるがまま、ゆっくりと身体を倒した
すると強引に
両手まで縛られた
『直也~…』
「何?
もっときつく縛ろうか?」
直也の楽しそうな声…
あたしは口を結んで、首を横に振った
