向かいのお兄さん
第45章 寒そうだから
欲しそうにしたら、あたしも舌を出した
食べられちゃうんじゃないかってくらい、キスしてくる
このまま
吸い込まれてしまいそう
全部、溶けちゃいそう…
チュク…パ…
「あいつに…何された…?」
おでこをくっつけたまま
これだけ近い距離なのに
直也の心配そうな顔が見えた
『別に…大丈夫だよ?』
直也はあたしの肩を掴むと
ゆっくりと顔を離した
「ほんと?」
『ほんと』
あたしが笑うと
直也もほほ笑んでくれた
『あ…それでね』
「?」
あたしは、ポツンと置いてある紙袋を手に取った
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