
向かいのお兄さん
第38章 不器用なあんた
「やっぱり俺…自分のことしか、考えらんない…」
『…』
言ってることと
やってることが
合いませんが…
『意味わかんないんだけど…』
「わかんなくて…いい。
なぁ、美咲…」
これもまた久しぶりに
名前を呼んでもらえた
「俺は美咲と…別れたくない…」
『マジで、ふざけんな』
直也の体に手を押し当てて
思い切り体を離した
『何なのさ、今まで散々無視してきたくせに別れたくない!?
由紀先輩とは…キスもエッチもしたくせにさ…
あた…あたしの気持ち、考えてよ!!』
あたし自身、何を言っているのか
わかるようで
わからなかった
