向かいのお兄さん
第34章 何で
扉を開けると、春の初めらしいひやりとした冷気が肌をかすめた
ブルッと身震いして目を開けると、
飛び込んでくるのはイケメン労働者たちが働く光景
懐かしいね、この響き…イケメン労働者
『…』
でもあたしはもう、ある一人にしか目を奪われない
少し前までは、そのある一人だけは見ないでおこう
なんて思ってたのに…
肌寒い季節にも関わらず、一生懸命働くせいで
じんわりと汗が服に染みて…
そういう頑張ってるとこも、あたしは大好き
『直也』
独り言みたいな声で
あたしは呟いた
聞こえるはずがないのに…
まるで聞こえたかのように、
それで直也があたしの姿を見つけると、
お互い目が合った
直也は辺りをキョロキョロと見渡すと
小走りでこっちへやってきた
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