秘書のお仕事
第3章 社内
『あの、話が変わるんですが…』
「勝手に変えるな」
『…すいません』
あたしはため息混じりで、パソコンに目を向ける社長を見た
ほんとに、若いな…
30もいってないかもしれない
それなのに、社長か…
あ、きっと親のコネではい上がったボンボンだろうね
「…で、何だ?」
『あ、いいですか?
社長のフルネームって何ですか?』
社長は、失望したような目をあたしに向けた
「菊地陽介(キクチ ヨウスケ)だ」
『へぇ…』
「何だその言い方は」
『いえ、別に』
あたしは素っ気ない態度で、社長に背中を向けた
よっぽど気に食わなかったんだろう
社長は椅子から立ち上がると、扉に向かって歩くあたしの腕を掴んだ
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