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BL~中編・長編集~

第12章 ~こんどこそ一緒に~

一人がそう言うと、仲間の一人が俺の腕を掴んできた。

「なっ・・・」

「ここじゃなんだし、移動しようか?」

そのまま建物の裏に引きずりこまれそうになる。

「ちょ、待っ・・・」

身体に力が入らず、抵抗しても無駄なだけだ。

「ここならいいかな?」

そう言って立ち止まった場所は、滅多に人の通らない建物の裏だった。

「こんな所まで連れてきて、話ってなんだよ?」

「威勢がいいね。 その威勢、いつまでもつかな?」

壁を背に、男たちに囲まれる。

「簡単な話だよ。 シロを返してくれないかな?」

「最近、あなた達といるせいで、私にかまってくれなくなっちゃったのよ?」

知るかよ、そんなこと・・・なんで俺が。

「・・・誰といようが、あいつの勝手だろ。」

「ははは。 噂通り生意気だね。」

そう笑った男たちの顔から笑みが消えた。

「やっちゃおうか。」

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