テキストサイズ

恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「そ…うですか。」

「…………」

ニック様…だけなのか?

「…リチャード様は…行かれるのですか?」

「……………いや。 今回は、俺だけだ。」

あ…れ…?

なんか、ニック様の機嫌が悪くなられたような…

「ニック様?」

「…準備があるから、部屋に戻る。 向こうに戻ること、留架に言っといてくれ。」

「あ、はい。」

気のせい…かな?

「…………」

一ヶ月…か。

ニック様に、一ヶ月も会えないのか。

「三神~!!」

「…留架様。」

今…どうして…

「さっき話し忘れ…」

留架様の言葉は、途中で止まってしまった。

「? どうしましたか?」

「………なんかあった?」

心配そうな留架様。

なにを心配されているのだろう。

「どうして、寂しそうな顔してるの?」

「え?」

寂しそうな…顔…?

「三神?」

「……そんなことありませんよ。」

そんなこと、ありえない。

だって、私が好きなのは…

「それよりも、どうしましたか? なにか、御用でも?」

「あ、うん…この仕事を、三神に任せるのを忘れてて…」

留架様に渡されたのは、いつも通りの茶色い封筒。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ