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「なんで俺に聞くかな。」

「留架のことだから、どうせ知ってるだろうと思って。」

「…………」

リチャード様に対する気持ちを、留架様はご存知だけど…

ニック様とのこともご存知なのだろうか。

「知らないよ。 俺の情報源は、三神なんだから。 本人からはなにも聞いてないし。」

「なーんだ。 つまんねぇの。」

とかなんとか言いながら、留架様のことだからご存知だろう。

私の他にも、情報源はいるはず。

「……あ、あの…次の仕事があるので、失礼してもよろしいですか？」

「あ、そうだよね。 ごめんね、引き留めて。」

ナイスなタイミングです、小内君。

「「失礼します。」」

部屋を出て、ホッと息をつく。

「大丈夫ですか？」

「えぇ…ありがとうございました。」

ほんと、助かった。

あのまま質問攻めにあっていたら、話していたかもしれない。

「いえいえ。 三神さんも大変ですね。」

「………そうですね。」

境様と黒澤さん、恐ろしいな。

さすがと言うか…なんというか…

「ふぅ…仕事終わらせますか。」

「はい。」

はぁ…なんだか、すごく疲れた。

「三神さん!!」

「？ どうしました？」

自室に戻る途中で、使用人が電話を持ってこちらに走ってきた。

「…………からニック様にお電話です。」

「わかりました。」

普通の使用人は、留架様達のお部屋に入れない。

だから、なにか連絡があると私の所へ持ってくる。