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カレとワタシの闘病記

第6章 2010年9月11日

『考えすぎだって』

「…そっか…

…じゃあ家に着いたからまたね」



電話を切る時

『もう!一体どうしたのッ』

…と、つい叫んでしまった。

もしかしたら海斗に聞かれたかもしれない。



突き放した訳じゃない

同じ話を何度も繰り返されるのが嫌になった訳でもない。



弱気な海斗の姿を見たくないと思った。



自信家で、傲慢で自分勝手で俺様――


そんな海斗の普段の姿からは想像できない今の弱々しい心。



怖いほど

痛いほど


辛かった。

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