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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~

第8章 ♦RoundⅦ(再会)♦

「おい、冗談は止してくれよ。俺は真面目に話してるんだぞ?」
 冗談ではなかった。幾ら有喜菜が良い女になって現れたとしても、今、見苦しいくらいに彼女に欲望を感じているのだとしても、それはたった今のことじゃないか。
 俺は以前に有喜菜と関係を持ったことなど、ただの一度もない。それだけは断言できる。
 なのに、彼女は腹の子の父親は俺だと言う。そんな馬鹿な話があるか。それとも、有喜菜は頭がイカレちまったのか?

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