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真夏の雨

第11章 噴水

熱いシャワーが朱里の身体を包み
胸を押さえる朱里の唇から血が流れた

「生きていたい…」言葉が
シャワーの音で消えた


命の期限なんかくそくらえだ…
僕には、今を生きる権利がある
自由がある…なのに
この身体は僕を蝕む…切り裂いてやりたい…一層このまま桜の胸の中で…


いや、さくらさんとずっと一緒居たい
そう思える人に逢えたんだから。
生きなきゃ。生きて
生きて桜さんと来年も再来年も傍でわらってるんだ!



上を向きシャワーを止め
脱衣室に向かい
バスタオル姿でリビングへ

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