向かいのお兄さん
第14章 影
ガリッ
「っづ…!!」
男は顔をしかめながら、あたしから離れた
血の味がする
あたしが
男の舌を噛んだのだ
「…」
男は冷たい目であたしを見下ろした
そして掴んでいたあたしの片腕を、思い切り捻り上げた
『ぁあああ!!!!』
肘から肩へかけて激痛が走る
あたしがその痛む腕を押さえていると
男はあたしの服を脱がしはじめた
『っ…!!』
「もっと痛い目に遭っていいなら、抵抗してもいいけど」
『…』
あたしはただ、黙っていることしか出来なくなった
「数週間前に、神崎が美咲ちゃんと一緒にいるのを見かけてさ…」
あたしはまず、上の服を脱がされた
「付き合ってるのかなって思ったら、どうやらそうでもないみたいだし…」
そして下着の上から、あたしの胸を揉みはじめた
「メールの内容見てみたら案の定。
君ら、ヤるだけの仲だったみたいだな」
『…』
ヤるだけ…
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