鳴宮くんは悪い子‼
第3章 鳴宮 和輝?だれそれ?
茶髪は叩かれた方の頬を撫で、私を見下す。
迫られたからわかったけど、陸より背が高い。
見上げると、冷たい目で私を見る茶髪。
「気の強い女は好きだ。だけど…」
「ちょっ…なにすんの」
茶髪はくいっと私の顎をあげる。
そして、ナイフのように冷たく鋭い口調で言った。
「俺を殴った責任はきちんと身体で払え」
ゾクッ
寒気が私を襲った。
整った顔に、妖艶な雰囲気が漂う。その空気がもの凄く甘ったるく、毒を飲んだみたいに強く惹かれた。
何故か、心の危険信号を無視してしまい、茶髪の顔がもう一度迫っても、抵抗しなかった。
「ん…ふぅ…ぁ」
キスが気持ちよくて、薄く開いた目で彼を見ると目が合い、私を興奮させる。
「っは……」
唇が離れ、透明な糸を引く。
「…ふっ…なかなかだな」
茶髪の発言は今の私には、頭に入らない。
初めてディープキスをしたのにもかかわらず、頭がぼーっとして…
だけど、すぐ我に帰った。
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