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涼雅は無視を決め込んで
勇次の横をすり抜ける。



「おぃ、逃げんのか？」

「あぁ？！勇次、てめぇふざけんなよ？喧嘩売ってんのか？」



勇次の挑発に涼雅はやすやすと乗ってしまう。


「いちいち怒んなよ。
喧嘩してぇ訳じゃねぇよ。」


「じゃあ、なんだよ！？」


涼雅には一刻も早く立ち去りたい理由があった。




ドキドキする・・・

なんだよコレ・・・

俺の心臓、うるせぇ



勇次の顔を見るだけで
激しい鼓動がする。

こんなのしられたら・・・
きっとバカにされる。



そう思うと早くその場を立ち去りたかったのだ。




「なぁ・・・涼雅・・」

「っんだよ？！」




「ちょっと、こっち来い。」


「あっ？？俺に命令すんなよ！」


「いいから、来いって。」



勇次は涼雅の腕を強く引くとズンズンと歩き出した。