天空(そら)に咲く花~あのひとに届くまで~
第3章 雨の日の出来事
その嘆息を背に、八重は清冶郞の薬を煎じるために立ち上がった。清冶郞の薬は食事と同様、すべて台盤所で用意される。薬を煎じるのは八重の仕事だった。食事は、その都度、毒味役が毒味後、同じものが部屋まで運ばれてくる。
咲き始めの蓮は早朝に花開き、午後には閉じるという。今頃は清冶郞と並んで眺めた池の蓮も、その蕾を閉じていることだろう。
蕾ばかりとなった池は黄昏刻を迎えて、なおいっそう静まり返り、あたかも花たちが眠りについているかのように見えるだろう。
八重は、ひっそりと蕾を閉じた花たちを思い浮かべながら、廊下に出て台盤所に向かった。
咲き始めの蓮は早朝に花開き、午後には閉じるという。今頃は清冶郞と並んで眺めた池の蓮も、その蕾を閉じていることだろう。
蕾ばかりとなった池は黄昏刻を迎えて、なおいっそう静まり返り、あたかも花たちが眠りについているかのように見えるだろう。
八重は、ひっそりと蕾を閉じた花たちを思い浮かべながら、廊下に出て台盤所に向かった。
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