
どうして?僕が攻めじゃ不満なの?
第6章 白雪姫と、メイドさん
「んッふぁッ…」
ゆっくり唇が離れていく…
厭らしく繋がった銀の糸は、僕の荒い息で途切れた。
「はっ…はぁっ…歩くんっ」
「クスッ…キスの練習も必要でしょ?」
歩くんは綺麗な指先で僕の唇をなぞる。
「必要ないよっ!!もぅっ…」
流されてしまうことが悔しくて、うっすら涙を浮かべて歩くんを睨む。
「必要だよ?本番の時、どうやってバレずに深いキス出来るか考えなきゃいけないし。」
歩くんは、真剣な顔で言った。
けど、それまともに考えなくても良いことだよね。
「もぅっ…やぁ!!」
僕は歩くんの胸をポカポカと叩く。
それを見て、歩くんは愉しそうに笑う。
「でも、穂浪はいつも嫌がるけど、気持ち良いんだよな?」
叩いてた腕を捉えられて、耳元で囁かれる。
気持ち良いかなんて…聞かなくても分かるでしょ…!!
だって…いつも…あんなに、声出しちゃうし…反抗しようとしても、結局快感が勝って、確実な反抗は出来なくて…
「も…、ぃゃぁ…」
羞恥で顔を赤く染めながら、涙を流す。
だって…悔しいんだもん…いつもいつも…いっつも…僕ばっかりだ…
「ごめんごめん。いじめすぎた?穂浪、顔上げて?」
「ん…」
顔をムスッとさせたまま上げると、やっぱり歩くんの意地悪な顔があった。
「歩くんの馬鹿!!」
僕はそう言って歩くんの首に抱きつく。
抱き付いた首をチロチロと舐めると、ピクンっと歩くんが跳ねた。
「穂浪?ッそれはおねだり?」
歩くんはいつもの調子で聞いてくるけど、僕は首を横に振りながら首にかぶりつく。
「んッチュ…カプッチュッチュ…んッ」
ただ、歩くんに負けたくなかっただけ。
「ふぅッ…んッチュ」
首から鎖骨にかけてを、何度も吸ったり咬んだりする。
歩くんは、そんな僕をただ見ていた。
「歩くんッ気持ち良いッ?んッ」
僕は上目遣いに聞く
「うん、気持ち良いよ。穂浪はしてあげなくても良いの?」
僕はその問いに首を縦に振る。
「そっか、分かった。じゃあ、穂浪の気が済むまで僕を味わって。」
歩くんのその言葉が、僕をまた興奮させる。
