
君と僕。
第12章 弟
「莉緒を襲った犯人はあなたなんですね、歩さん!」
歩さんは
ばれちったか☆
と、舌を出して見せた
「どうして!莉緒を!許さない!莉緒は、あなたのせいで…………あなたのせいで……………」
私は強く拳を握り締める
「落ち着け、美音!」
「嶺はいいの!?嶺の弟のせいで、嶺は莉緒に……!それに私の大切な親友を傷付けたこの人を私は絶対に許せない!」
いつぶりだろう、こんなに叫んだのは。
それでもまだヘラヘラ笑っているあの人は人間じゃないと思う。
このままここにいても、何もならない
私は
「絶対に許せない」
と、歩さんを睨みつけると、家を後にした
