
*記憶のカケラ*
第6章 *悲しみ*
港に着いてから私たちは海の方を向いてただ座っていた。
穏やかに流れる海を見てただぼーっとしていた。
どのくらいの時間がたったのだろうか。
遼が不意に立ち上がってどこかへいった。
しばらくして2つパックをもって帰ってきた。
「亜梨紗昨日から何も食ってないだろ?少しでも胃にいれとけ。」
そういって焼きそばを手渡された。
少しずつ口に運ぶ。
焼きそばはちょっと味が濃くて辛かった。
でもこの味は忘れない気がした。
焼きそばを食べながら気がついたら私は泣いていた。
