
俺はもう、
第4章 *どっちが大事?...
あの日以来、私がK大に行っても優の姿を見かけることはなかった。
河野くんの授業に出ても、食堂で一緒にご飯を食べても、グループのメンバーに優はいなかった。
『ねぇねぇ、優の彼女って玲奈ちゃんの友達なんでしょ?』
「え?」
『さっきコンビニで見かけたんだけど、性格悪いの?あの子って。』
男の人って、どうしてこうもデリカシーがないんだろう。
あまりに直球すぎる質問に苦笑いしか返せない。
「なんで?何か言われたの?」
河野くんの質問に対して、内緒話をするように私たちを手招きして極限まで近くに集めた。
『リナいるじゃん、優の元カノ。
優に、彼女?みたいなノリで絡んで立ち去った後に、優の彼女がさー、あんな可愛くない子も優の友達にいるんだねって。
いやー、さすがの俺も背筋が凍りついたわ。』
「リナ、普通に可愛くね?」
『だって1年にしてうちの学祭の準ミスだぜ?
まじ優の彼女苦手だわ。玲奈ちゃんが天使すぎて尚更思った。』
今の状況が複雑すぎて何も言葉が返せなかった。
夢ちゃんの悪口を黙って聞いてしまってることー・・・
優には元カノがいて、K大の準ミスであることー・・・
