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俺はもう、

第3章 *宣戦布告..





「・・優・・っ、」











少し前を歩く河野くんたちが会話に夢中になってる間、玲奈は優のシャツの袖を引っ張った。



優は反応して横の玲奈を無言で見下す。












「泊まりって・・さ、


あれ、だよね・・・?」










小声で躊躇いながら口を開く玲奈に優は視線を前に移した。




まるで無関心といった様子で表情一つ変えずに呟いた。











「玲奈、あの時はっきり俺に言ったよな?覚悟できてるって。」



「・・・・・」



「だったら今さら助け求めてくんなよ。」



「っ・・・ごめんなさい・・・」









どうしてだろう。



優に突き放されたら、苦しいくらいに胸が締め付けられて涙が出そうになった。



優はもう私を守ってくれる都合のいい幼馴染じゃない。



優には守るべき人ができたんだから・・・












「玲奈ちゃん!食材買って帰ろ?」








前にいた河野くんからの呼びかけに頷くことしかできなかった。



河野くんといて楽しいし、すっごく優しくしてくれる。




だけど、河野くんを得たことで何かをなくした気がしてその代償の方が大きい気がした。


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