
RAIN
第10章 裁かれた母子の行末《拓海side》
神崎くんの素直な気持ちが触れ合っている肌から伝わってくる。その言葉通りに離れたくないと纏う腕は、いつまでも力を緩めることはなかった。かといって窮屈を感じさせるほどでもなく、彼の必死な想いが流れ込んできてるようだ。
一度深く呼吸をして、気分を一転させようと試みる。
ふぅーっと長い息を吐き、俺も神崎くんに対峙する。
神崎くんの不安に揺れている瞳は、それでも逸らすことは決してなかった。
「……もう離れようとか言わないよ……。君がそれを望むなら」
決断が覆された俺の台詞の意味を、神崎くんは最初理解を示せなかったようだ。
だけどすぐに彼は破顔する。それはとても幸福だとつげているようで、俺も自然と薄く笑みがこぼれてしまう。
「それじゃ……」
「神崎くんの気持ちはとても嬉しい。俺だって君のことは好きだよ。だけどそれは友達としてだ……」
わずかに神崎くんの笑みから哀しげに揺れる瞳を垣間見えたが、俺はそれをわざと気づかない振りをした。
「だから友達としての付き合いなら俺は歓迎するよ」
……いや、俺は彼を受け入れるとかそんな立場ではない。寧ろ彼が選択し、俺はそれに従う立場だ。
「ありがとうございます! もう会えなくなるよりずっといいです。友達からで構いません。本当にありがとうございます」
彼は俺が提供した関係で甘んじると、しかも感謝まで述べ出した。
一度深く呼吸をして、気分を一転させようと試みる。
ふぅーっと長い息を吐き、俺も神崎くんに対峙する。
神崎くんの不安に揺れている瞳は、それでも逸らすことは決してなかった。
「……もう離れようとか言わないよ……。君がそれを望むなら」
決断が覆された俺の台詞の意味を、神崎くんは最初理解を示せなかったようだ。
だけどすぐに彼は破顔する。それはとても幸福だとつげているようで、俺も自然と薄く笑みがこぼれてしまう。
「それじゃ……」
「神崎くんの気持ちはとても嬉しい。俺だって君のことは好きだよ。だけどそれは友達としてだ……」
わずかに神崎くんの笑みから哀しげに揺れる瞳を垣間見えたが、俺はそれをわざと気づかない振りをした。
「だから友達としての付き合いなら俺は歓迎するよ」
……いや、俺は彼を受け入れるとかそんな立場ではない。寧ろ彼が選択し、俺はそれに従う立場だ。
「ありがとうございます! もう会えなくなるよりずっといいです。友達からで構いません。本当にありがとうございます」
彼は俺が提供した関係で甘んじると、しかも感謝まで述べ出した。
