
RAIN
第8章 告白《翔side》
そっと襖が閉じられる。
それに俺はいつまでも目線を固定させた。
外見だけじゃなく内面まで綺麗だと思う。ますます惹かれる。
はぁーっ……。大きなため息がぽろり。
もしかしなくても俺にはもったいないとか、あんな綺麗な人をほっとくわけないとか、今度は違う心配が次から次へと湧いてくる。
……恋人の存在。今更にして襲ってくる既視感。
だけど痛む頭ではそれ以上の思考を駆使することを拒み、今は拓海さんの台詞ではないが、休養することを優先したい。素直に受け入れれば俺の両眼は自然と目蓋を落とし、そのまま睡魔に身を委ねた。
****
微かに醤油の香りが漂ってくる。その香りに誘われるように混沌とした意識が浮上してきた。瞳を開けた先にあったのは見知らぬ天井。
ここはどこだっけ? 覚醒しきれていない脳が混乱している。だんだん意識がはっきりしてくると同時に、再び襲われる頭痛で強く瞑目してしまう。
痛みでやっと自分が置かれている状況を理解する。
そうだ、ここは拓海さんが住んでいるアパートだ。
そういえば顔色が悪いと拓海さんに指摘され、流される形で横になったんだっけ?
……拓海さんは? 思わず拓海さんの姿を探してしまう。
閉め切っている襖の奥から音がこぼれている。よく耳を澄ませばそれはテレビの音のようだ。
何時間寝ていたんだろう?
いつまでも甘えてはいけない。それに拓海さんに伝えたいことがあるんだ。まだ痛む頭を抑えながらも、無理に起き上がる。
「……っつ……!」
上半身起こすだけで割れるような頭痛が襲ってくる。
すると突然にガラッと塞いでいた襖が開かれた。
「……調子はどうだ? ……ってそんなすぐによくなるわけないよな」
心配した拓海さんの姿がそこにあった。
それに俺はいつまでも目線を固定させた。
外見だけじゃなく内面まで綺麗だと思う。ますます惹かれる。
はぁーっ……。大きなため息がぽろり。
もしかしなくても俺にはもったいないとか、あんな綺麗な人をほっとくわけないとか、今度は違う心配が次から次へと湧いてくる。
……恋人の存在。今更にして襲ってくる既視感。
だけど痛む頭ではそれ以上の思考を駆使することを拒み、今は拓海さんの台詞ではないが、休養することを優先したい。素直に受け入れれば俺の両眼は自然と目蓋を落とし、そのまま睡魔に身を委ねた。
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微かに醤油の香りが漂ってくる。その香りに誘われるように混沌とした意識が浮上してきた。瞳を開けた先にあったのは見知らぬ天井。
ここはどこだっけ? 覚醒しきれていない脳が混乱している。だんだん意識がはっきりしてくると同時に、再び襲われる頭痛で強く瞑目してしまう。
痛みでやっと自分が置かれている状況を理解する。
そうだ、ここは拓海さんが住んでいるアパートだ。
そういえば顔色が悪いと拓海さんに指摘され、流される形で横になったんだっけ?
……拓海さんは? 思わず拓海さんの姿を探してしまう。
閉め切っている襖の奥から音がこぼれている。よく耳を澄ませばそれはテレビの音のようだ。
何時間寝ていたんだろう?
いつまでも甘えてはいけない。それに拓海さんに伝えたいことがあるんだ。まだ痛む頭を抑えながらも、無理に起き上がる。
「……っつ……!」
上半身起こすだけで割れるような頭痛が襲ってくる。
すると突然にガラッと塞いでいた襖が開かれた。
「……調子はどうだ? ……ってそんなすぐによくなるわけないよな」
心配した拓海さんの姿がそこにあった。
